凡夫の叙情とエッセイ

頭で考えたり心で考えたりして書き散らす

科白に求め過ぎるという事

ただ、何かを賛美するという事にも俺は随分と逡巡する。
言葉の重み、意図、意味、効果、行く先、質感、精度、義理……。
なんとはなしそんな事を思い始める。
それは多くの人にとっては見ないし、見えない事で、くだらない齟齬を生む。
俺の言葉は迷いや疑いに満ちていて、曖昧のように複雑だ。

だから俺の気持ちなど人に見えるわけもないし、むしろ胡散臭くて嫌味なやつにさえ見えることだろう。
好意の一つさえうまく伝わりゃしない。馬鹿者だ。

当然、人からの賛美をさえ考察して意図や純度を測る。
そうして大方人の好意を取りこぼす。
幸福一つさえまともに受け取れぬ馬鹿者だ。